学校へ行くことはあまり好きではありませんでした。
新しいクラスでは友達が出来るのか不安だったからです。
クラスへ行くと、知らない人ばかりでした。
ある男子の顔を見たら、とても好みだったのです。
顔だけで好きになることなんてないと思っていました。
でも、心がドキドキして、これは恋なのではないかと感じたのです。
家に帰り、あの人はどんな名前なのだろうと考えていました。
その日から私は学校へ行くことが楽しくなってきたのです。
友達も出来たので、クラスへ行くことが楽しくなりました。
つまらない授業でも、好きな人の後ろ姿を見られるだけで幸せです。
好きな人が先生に呼ばれた時が一番楽しい瞬間でした。
その人の声が聞こえるからです。
顔がタイプなだけではなくて、声も好きでした。
好きな人は、字が結構下手です。
でも、顔や声がタイプなので別に気になりません。
席替えの時に、近くになれば良いなと考えていました。
でも、なかなか近くにはなれず、二人で話したこともありません。
同性の友達に好きな人がいるのか聞かれたことがあります。
話を聞いていたら、私の好きな人を好きだと言う人が数人いました。
皆、顔がタイプだと言っていたのです。
やっぱりモテるタイプなのだと知り、ライバルが多いことに気付きました。
私だけが好きなのかと思っていましたが、結構ライバルはいたのです。
同じクラスではない人も、密やかに好きな人はいました。
学校のクラスでは、なんとなくですが、異性を意識しているものです。
皆、話せば誰が好きなのか教えてくれました。
私の好きな人はすごくモテるみたいなので、私は誰にも言わないことにしたのです。
誰かに言うと、本人に伝わってしまいそうだし、学校へ行くことが恥ずかしくなります。
誰にも知られてはいけないと思いました。
好きな人とは、家庭科のクラスで一緒の班になったこともあります。
料理を作りながら、二人で話したこともありました。
そんな時、小さな幸せを感じたものです。
しかし、私は好きな人の目を見ることも緊張しました。
距離が近いとドキドキして、この気持ちに気付かれてしまうのではないかと不安になります。
告白したいとは思いませんでした。
付き合ってみたいけれど、同じ学校にいる間は気づかれたくないと思いました。
他の女子達からの目線が怖いからです。
それに振られてしまったら、自分が傷つきます。
傷つきたくないけれど、好きでたまりませんでした。
どうしたら良いのかわからずに悶々としていました。