私の初恋の人は、幼馴染です。
その人とは、保育園の頃からずっと一緒で、小さな街の出身だったから、小学生の時もずっと同じクラスでした。
そして、なぜだか、私と彼は、犬猿の仲で有名でした。
あっちがああ言えばこう言う、というな感じで、いつも喧嘩ばっかりしていたからです。
でも、いつの間にか、彼のことが気になっている自分に気づいたのです。
これが、小学校の6年生の時でした。
でも、小学生で恋心に気づいても、特に何もアクションは起こすことはありません。
普段通り、犬猿の仲で突き通していました。
それから、中学生になりました。
中学校になると、他の小学校からのクラスメイトも集まるため、クラスが2クラスに分けられました。
できることならば、一緒のクラスがいいなと思っていましたが、願いが叶いました。
一緒のクラスになることができたのです。
しかも、それだけではありません。
出席番号順に用意された席の隣には、彼がいたのです。
一生分の運を使い果たしてしまったのではないかと、一瞬不安になってしまったくらいです。
ここで、隣の席になったことで、良いことづくめな出来事がばかりでした。
まずは、給食当番がペアになったことです。
食缶を一緒に運んだり、下げたり、2人だけという優越感を味わうことができました。
次に、他の小学校の人もいるような、まだ馴染めないクラスだったものだから、自然と隣の席で、それも同じ小学校出身同士で話すことが多かったことです。
例えば、黒板の文字が見えない時に、隣の席の彼は、私の板書したノートを見せてと言ってくれることもありました。
隣の席じゃなかったらきっとできなかったことで、本当に嬉しかったです。
そんなふうに、中学生活を過ごしていましたが、ある転機が訪れました。
それは、私の転校です。
正直、突然のことで、私自身の気持ちが追いつかなくなってしまいました。
きっと転校すれば、一生彼に会うこともなくなってしまうだろうことは、簡単に予測できたからです。
ショックすぎて、学校を3日間程休んでしまいました。
しかし、転校の時期は確実に迫ってきます。
ついに、転校当日になりました。
いっそのこと告白をしようかしないか迷いましたが、臆病な自分にはできませんでした。
そして、彼とも会話をかわせないまま、転校をしていくことになりました。
その後、友人から連絡が来ました。
それは、私が転校してからの彼が元気がなさそうだったよということです。
もう報われない恋だということはわかっているからこそ、ちょっとだけ嬉しくて、切なくて、もどかしかった瞬間でした。